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2018年7月 3日 (火)

愛知県議会6月議会健康福祉委員会一般質問 旧優生保護法について

愛知県月議会健康福祉委員会で続いて一般質問旧優生保護法について取り上げましたので委員会記録掲載します。

 

【わしの委員】

 旧優生保護法について御質問させていただきます。

優生保護法は1948年、昭和23年から優生上の見地から不良なる子孫の出生を防止するとともに母性の生命の健康を保護することを目的に同法1条に制定されたものであります。本人が、遺伝性精神病、遺伝性精神薄弱等、また非遺伝性の精神病又は精神薄弱であることを理由に、都道府県優生保護審査会の審査を経れば本人の同意が無くとも男女問わず優生手術が認められ、法律が廃止される1996年、平成8年まで本人の同意無く、審査により行われました。

優生手術は全国で1万6000件以上にのぼり、本人の同意によって行われる優生手術、優生思想による中絶手術も多数行われました。

愛知県の強制不妊手術は、県の衛生年報によれば昭和24年から56年までの33年間で255件、内訳は男性が49件、女性は206件。その内20歳未満が男性6人、女性21人です。昭和57年以降の実績は無いとされております。

旧優生保護法に基づく優生手術に関し、現存する資料は昭和41年度から46年度までの優生保護審査会の審査結果において、優生手術を適とされた方は55人、男性の最年少は17歳、女性の最年少は13歳です。適とされた55人に対して、手術の件数の報告は6年間分で17人となっています。

優生保護法の下に、愛知県では昭和24年から56年までに障害者に対して255件も強制的な不妊手術をしてきた事実に対して、大変痛ましいことだと思い、このような歴史を繰り返さないために、事実の徹底的な究明が必要だと考え、今回の質問に至ったわけであります。

当時は、法に基づくこととされていたとはいえ、愛知県がすすめた強制不妊手術は深刻な人権侵害だと思います。現在の到達点に立って県としての誤りをえぐりだしてこそ、初めて責任を果たしたと言えるのではないかと思いますが、県としての考えを伺います。

 

【こころの健康推進室長答弁】

昭和23年から平成8年まで適用となっておりました旧優生保護法に基づき行われた強制不妊手術につきましては、法律に基づき行われてきたものとはいえ、人権上の問題があり、委員お示しのとおり、県内でも255人の方に手術が行われていた事実を、重く受け止めております。

こうした方々につきましては、速やかに国において救済されるべきものと考えております。

 

【わしの委員】

 国において責任をもって取り組むべきということでありましたが、県としてはどのように考えておられるかをお聞きしたいと思うのですが。

 

【こころの健康推進室長答弁】

 救済措置等につきましては、国で現在検討されていると聞いております。県としましては、御本人や御家族の方から相談等がございましたら誠意をもって対応してまいりたいと考えております。  

 

【わしの委員】

 県が所存する資料では、昭和41年度から46年度までの間に優生手術を適とされた55人について、1人は城山病院、現精神医療センターがかかわったということですが、あとの54人について調査を実施し、期限は5月下旬の予定と聞いておりますが、どんな調査を行い、結果についてはどうだったのか伺います。

 

【こころの健康推進室長答弁】

県が所存する優生保護審査会の資料からは、優生手術の申請をした医師と手術の実施を指定された医師の所属する医療機関が確認できますことから、これらの医療機関のうち現在も診療を行っております37の医療機関に対し、2回に分けて調査いたしました。

まず初回調査といたしまして、37医療機関に対し、カルテの保存期間等や、個人を特定して照会した場合、カルテの有無等について回答していただけるかどうかを確認するための調査を、4月18日付けで行いました。

そして、回答できるとした21医療機関に対して、具体的な個人名を示しまして、該当者のカルテの有無や、カルテが保存されている場合、優生手術に関する記載があるか等を、6月8日までに御回答いただくよう、5月16日付けで追加調査いたしました。

追加調査の結果につきましては、締切が過ぎておりますが、回答内容が不明のため再確認するなど、21医療機関全ての結果が揃っていないため、確認ができ次第、結果を集計し、公表したいと考えております。

 

【わしの委員】

 結果が分かり次第公表するということでしたが、大切なことですので、しっかりと行っていただきたいと思います。

県の資料を見ますと、適とされた55人のなかで、手術を受けたのは17人となっているのはどうしてでしょうか。あとの38人は手術が行われなかったという事ですか。そしてその理由についても伺います。

 

【こころの健康推進室長答弁】

委員お示しのとおり、現存する愛知県優生保護審査会の審査結果で手術が適当とされた方は55人であり、県衛生年報で実際に手術を受けられた方の昭和41年から昭和46年までの合計は17人であるため、両者の差は38人となります。

審査会で手術が適当であると決定されてから実際の手術までに時間的な間隔があるため、両者は必ずしも一致するものではありませんが、これだけで説明できるものではなく、手術を受けたのか否かも含め、両者の数字に大きな差が生じた理由につきましては不明でございます。

 

【わしの委員】

さらに、適とされた55人のなかで、1人は城山病院、現県精神医療センターがかかわり、他にも、コロニーでも知的障害の方などにかかわってきたと伺いますが、コロニーでは調査はされたのでしょうか。

【こころの健康推進室長答弁】

心身障害者コロニー全体を調査しましたが、該当文書の簿冊は確認できませんでした。

【わしの委員】

これまで声を上げられなかった被害者の方が、少しずつ声を上げ始めています。被害者の声や世論の高まりを受けて国会では超党派の議連が結成され、与党のワーキングチームが立ち上がり、実態の調査や補償法制定に向けた動きがみられるようになりました。全国弁護団も結成され、補償法の制定や謝罪、実態究明を求める弁護団声明を発表し、活動を開始しております。

少なくとも愛知県として、調査の結果などの情報開示を行い、被害者の救済に繋がる対応をすべきと考えます。国に対し補償の実現を求めること、県として相談窓口の設置など、当事者の方々からの要望に真摯に対応できるようにすることなど、直ちにやっていただきたいと思います。さらに、なぜ、愛知県でもこのような手術が行われたのか、その原因と経過の全容についても可能な限り明らかにする必要があると思います。そして、関係者の方々に対しては、謝罪も必要だと思いますが、県としてどのようにお考えか伺います。

 

【こころの健康推進室長答弁】

調査の結果などの情報開示につきましては、個人情報等を除き可能な限り情報提供に努めてまいりたいと考えております。

国に対し補償の実現を求めることについては、本県もメンバーでございます中部圏知事会として、全国的な実態把握の結果を踏まえ、救済措置等を検討することと、国へ提言する予定としております。

県の相談窓口の設置については、現在のところ問い合わせも3件と少ない状況でございますので、今のところ専用窓口を設置する予定はございませんが、こころの健康推進室で問い合わせ等の対応をしております。御本人や御家族から問い合わせがありましたら、誠意を持って対応してまいりたいと考えております。

なお、手術が行われた原因と経過の全容でございますが、原因は、優生手術は当時の法律の下で実施されてきたものであり、全容を明らかにすることにつきましては、県で保存している関係書類は、個人情報等を除き可能な限り公表しているところでございます。

また、謝罪につきましては、繰り返しとなりますが、御本人や御家族から問い合わせがありましたら、誠意を持って対応してまいりたいと考えております

【わしの委員】

これまでに3件相談があったということですが、なかなか相談しづらいこともあるかと思いますが、少しずつ声を上げ始めている状況の中で、愛知県としては、相談が来たらということでなく、相談窓口を設けたということを強調してきちんと対応すべきであると思います。勇気をもって相談に見える方はなかなか出てこないと思うので、ぜひそのことを要望したいと思います。

最後になりますが、優生保護法の問題は障害者差別の問題であると同時に、産む、産まないを決めるのは女性自身であるという、女性の権利の問題でもあると思います。

さらに、愛知県はハンセン病の方々に対しても優生保護法に基づいて無癩県運動の先頭に立ってきた苦い経験を抱えています。

 改めて、女性差別、障害者差別の問題として、日本の優生思想を支えている構造に目を向けることが、この問題を長年にわたって放置してきた私たち一人ひとりの責任でもあると思います。憲法の理念である、一人ひとりが個人として尊重される社会の実現を目指していくべきだと真剣に思っておりますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

質問を終えて、

県当局も、「旧優生保護法に基づき行われたとはいえ、人権上の問題があり、県内でも255人の方に手術が行われたこと重く受け止める。速やかに救済されるべき」と答弁ありました。引き続きの調査が行われていますが、結果などの情報開示はもちろん、被害者の救済につながる対応を求めたい。そして当事者の方々からの要望に真摯に応えていただくことを切に願うとともに、2度とこのような歴史を繰り返さないためにも徹底的な究明が必要だと改めて痛感しました。引き続き求めていく課題です。

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